SYOEIMAGAZINE
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2022[Sun]
02.27
設計、現場担当の能勢です。
この「家づくり手帖」は、家ができるまでの設計・現場でのプロセスや、お客様とのやりとりの記録です。
自分の仕事の振り返りはもちろん、
これから家づくりをお考えの皆様に、少しでも参考になれば幸いです!
Y様邸概要
木造2階建て、約98㎡
設計期間:2020年8~11月
工事期間:2020年12月~2021年5月
夏から始まった設計の打ち合わせ
Y様から松栄にご連絡をいただいたのは2020年の6月のことでした。
ちょうど新しい土地での分譲を計画しているところで、
その一画の土地(約100㎡)をご紹介し、土地をご購入いただきました。
建築前の更地の状態
Y様邸は、松栄の標準仕様をベースにすることでコストを抑えつつ、
お客様のご要望を取り入れた『ハーフオーダー型』の設計で進めさせていただきました。
最初の設計の打ち合わせは8月。
松栄からは、プランの考え方についてご説明。
スケッチを描いて建物の形をご説明
プランの特徴はこんな感じです。
・1階にリビングと駐車場1台
・2階に2室+ワークスペース
・玄関脇にシューズクローク
・キッチン裏にぐるぐる回れるパントリー
・2階洋室にウォークインクローゼット
ちょうどリモートワークが増え始めた時期だったので、扉付きの2.5畳のワークスペースをご提案しました。
この時、Y様から
「外壁材にガルバリウム鋼板を使いたい」
「トイレ内に手洗いをつけたい」
「ベッセル式の洗面台にしたい」
などいくつかご要望をいただきました。
事前に松栄のホームページを見ていただき、明確なイメージをお持ちだったので、打ち合わせもスムーズでした!
(本当にありがたかったです)
構造や設備の検討に少しお時間をいただき、
3回目の打ち合わせは9月に開催。
手洗いなど水回り関係のご要望を中心に打ち合わせをしました。
そして、10月に4回目の設計打ち合わせ。
建築費の調整と電気のコンセント位置、造作の洗面台についてなど、細かいところまで詰めます。
洗面台は、既製品のいろんな種類を検討いただきましたが、最終的には既製品ではなく造作で作ることに決定しました。
味のある洗面台って既製品では難しいんですよね・・・。
こういう造作材をスケッチしながら考えているときが、設計者としては一番楽しかったりします。
プランと金額が一旦確定したので、10月末に工事請負契約。
少しづつ着工が近づいてきます。
並行して、不燃化補助金の申請なども進めます。
(不燃化推進地域で準耐火建築物となることから、補助金の対象でした。)
植栽と外構については、ある程度建物が出来上がってきてから現地にてお打ち合わせをすることになりました。
地鎮祭、そして着工へ
11月には菊名神社さんにお願いして地鎮祭を行いました。
地鎮祭にはY様のご両親もご出席。
これから工事を頑張ろうと気が引き締まる瞬間です。
とうとう、建物の建築がスタート!
まずは地盤改良からのスタートです。
新しく作った擁壁の上の部分の土を補強します。
ガンガンと固めます。
そして12月からは基礎工事。
中にしっかりと鉄筋を入れてからコンクリートを打ちます。
基礎ができると、建物・部屋の大きさや形がわかりやすくなりますね。
1月末には上棟。
20代の若い大工さんチームであっという間に組み上げていきます。
午前中には、ほぼ骨組みが完成。
若いってすごい!
当初の上棟予定日は雨天予報だったため日程をずらしましたが、実際にはまさかの晴れ。
(小雨は耐久性上問題ないのですが、安全面から延期をする場合があります。)
Y様には大変ご迷惑をおかけしました・・・
内部の造作工事は、ベテランの大工さんに交代。
ここからが一番現場監管理が忙しくなるタイミングです。
大工さん、水道屋さん、電気屋さん、ガス屋さん、外装工事屋さんが一度に作業を始めるので、いろんな調整が一気に出ます。
調整事項は多いですが、いつもお願いしている職人さんが皆いい人なので、現場打合わせはとても楽しみです。
(話し込んでなかなか現場を出られないことも・・・)
着々と断熱材も入っていきます.
高断熱仕様なので断熱材もすごく厚い!
SANWA COMPANYの洗面台も入りました。
3月には大工工事が終わり、この後は壁紙と設備工事です。
ここまでくると、あと少し!
現場監督としても、やっと一息できるタイミングです。
工事途中、1階リビングの天井高さや階段下の洗濯機置き場の高さなど、
図面から変更になりそうな部分についてY様にメールでご連絡。
一部、外壁工事や窓の工事の遅れはありましたが、全体としては順調に進んでいきました。
壁紙を貼る前に木製扉を塗装。
塗装の市川さんは、松栄建設の初代の頃から数十年のお付き合いになります。
外壁の金属板は、親子の職人さんが一枚一枚貼っていきます。
若い職人さんが、現場にいるとうれしくなります。
大変な仕事だけど、ずっと続けてほしい!
建物があらかた出来てきたので、Y様と外構&植栽の打ち合わせ。
リビングの目隠しのフェンスの色は、
奥様にセンスの良いグレーを選んでいただきました。
植栽は大倉山にある「植物と暮らしのお店 PLANTED」の三輪さんにお願いしました。
三輪さんについてはこちらに詳細があります→ 菊名池古民家放送局
自然石を使ったり、曲面を取り入れた外構プランにしたりと、できるだけ自然に近い状態を作ろうという考え方で進めていただきました。
そして、完成も近づいてきました。
何度も通った現場前の道。
心配性なので、通勤途中はしょっちゅう現場の前を通っていました。
坂の上からはみなとみらい方面が見えます。
そして!ついに完成!!
色と素材のバランスに気を使ったエントランス
1階リビングの後ろにキッチンパントリー
容量たっぷりのシューズクローク
造作の洗面台
TOOLBOXの手すり
キッチン裏のパントリー
将来、2室に区切ることもできる2階洋室
ウォークインクローゼット付の洋室
12月に着工して、お引渡しは5月末となりました。
その5月はお引渡しの説明書や保証書用意、完成図作成、検査などの準備でバタバタ。
ちょうど奥様が出産される時期と重なったので、Y様も家具や、お引越の手配など、とても大変だったと思います。
お引き渡ししてからがスタート
2021年9月、お引き渡しから3ヶ月目の定期点検にお伺いしました。
その時に、壁紙の傷の補修、外周フェンスの追加などを対応させていただきました。
植栽も増えていてうれしい限りです。
松栄では3ヶ月、1年、5年、10年点検を標準にしています。
定期点検は、良かったところ・改善すべきところを見直すという、自分達にとっても本当に良い機会になります。
家づくりはこれで一旦終わりですが、新しい暮らしはスタートしたばかり。
これからのお子様の成長と共に、この家がどのように変わっていくのかが本当に楽しみです。
Y様、この度は本当にありがとうございました!
設計・現場担当 能勢
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